日本の不動産ファンドは、これまで述べてきたように不完全なものが多く、投資家にとって換金性(流通性)の確保、投資家保護、説明責任、情報開示など、まだまだ改善しなければならない点が法制面を含めて多々あるというのが現状です。不動産特定共同事業法、SPC法、証券投資法人制度などを利用しても、投資家がある程度満足できる不動産ファンド商品が存在するとはいい難い状況です。まして、一般投資家が積極的に不動産ファンドで投資するには、法制度というインフラ整備が遅れていることは否めない事実なのです。現在、投資家は運用難で窮しており、ある程度のリスクをとってでも高利回りを実現しようとする動きがあります。個人向け普通社債はトリプルB格付けでも人気があり、ほとんど金利のつかない預貯金に群易して、一部では株式投信などに個人資金もシフトしています。さて、このような金融環境で、日本版の不動産投資信託であるJ-REITが切望されています。SPC法のSPCを利用したスキーム、証券投資法人制度を利用したスキームなど、いわゆる「REITもどき」ではスキーム組成に費用がかかりすぎ、最終的に利回りを下げ、組成自体に意味がなくなっているケースが散見されました。では、「信託型」も「会社型」も備えたアメリカの不動産投資信託と訳されているREIT(リート)とはどんな商品なのでしょうか。